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 ビーチパラソルは直径3メートルほどある巨大なものだった。日陰にあるテーブルに3組1班の4人と、瑠子さま、サイコが顔をそろえている。注文したのはノンアルコールのフルーツカクテルだった。SPの女性がひとり、瑠子さまの分を毒見している。飲むのではなく携帯キットでジュースを検査するのだ。致死性の毒はほぼ判定できるという。 「おれたちの夏休みに、カンパーイ!」  発声はこんなことが生きがいのクニだった。タツオはグラスに口をつけた。フレッシュマンゴー主体のカクテルで、甘さが爽(さわ)やかだ。 「つかまったウルルクの人たちのことはなにかわかったの」  瑠子さまが心配そうにいった。タツオはスリランの7班についてサイコを通じて瑠子さまにも報告している。 「いいや、まだなにもわかりません。サイコの兄貴のおかげで、射撃ロボットの制御プログラムが手に入ったので、ジョージがあの事件の解析(かいせき)をすすめてくれてます」
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