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地味。暗い。目立たん。
それの何がアカンのや?
我輩はお前等(モブ学徒兵)みたいなんと関わりたく無いから、お前等が話し掛けて来ぇへん様に、そう振る舞ってるだけや。
友達は確かに欲しいけど…。
我輩よりモラル無い奴とは一緒に居りたない。
出来るだけ、人より目立つ様な事したり言うたりした無い。
地味で良ぇ。暗くて良ぇ。
せやから、我輩はこのまま、学徒兵から一般兵に流れて終わるぐらいの人生で良ぇって思ってる。
腕には自信あるよ。一応。
もうちょい上に行けるぐらいは有るねん。
でもな。
我輩みたいなんが上に立った所で、何なんねん?
それに…。
我輩が上に立った時に、我輩がその任を全う出来るんか?
って言われたら、
「無理!!」
としか答えられへん。
我輩にはそんな器、備わって無いねん。
だからな、平凡で良ぇねん。凡人で良ぇねん。
親が離婚してる。
変なぶりっ子女にストーカーされた。
何や知らんけど、40代の眼鏡の出っ歯のおっさんにばっかり迫られる。
これ以上、我輩の人生にイレギュラーなモンは要らん。
我輩の人生には、メタルと筆記用具が有れば充分や。
そない思ぉて、紙にガサガサと絵ェ描く。
描き終えた我輩のキャラの、イキイキした顔見て、ちょっと切なくなった。
我輩の気分と設定次第で、いくらでも、何でも出来る我が子達が、羨ましかった。
「良ぇのぉ…。お前等は自由で……。」
そない呟いて、紙を丸めてゴミ箱に捨てた。
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