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「それから二人はネックレスの石に封印されて、祠に納められているんです。」
「じゃあそのネックレスの石が壊されたらもしかしたら…って事なのか?」
俺の言葉にシアンは静かに頷いた。
「…とは言ってもこの話は小さい頃に本で読んだだけなので本当かは分からないんですけどね。それに…祠には特殊な魔法がかかっていて、それが解けるまではネックレスは見えない様になっているそうなんです。」
(瑠璃色の石がはめ込まれたネックレス、か。)
俺はさっきの話を聞いている間、ずっとそのネックレスの事が気になっていた。
(まぁ、どう考えても俺が見た物とは違うだろうが…。)
そんな事を考えていると、シアンは思い出したように立ち上がった。
「あ、そういえば薬草を頼まれてるんでした! 暗くなる前に採って来ないと…。 ちょっと行ってきます!」
そう言ってシアンは小柄な体には不釣り合いな大きなカゴを慣れた手つきで背負い始めた。
(…後ろから見るとカゴに足が生えてるみたいだな。)
微笑ましい光景に思わず笑みが零れる。
「…俺も手伝おうか? 何か大変そうだし…」
「慣れてるので大丈夫ですっ。こう見えて私、力持ちなんですよ?」
シアンは笑いながら、子供みたいに胸を張って言った。
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