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――翌日。
昼前に城を出ることになり、俺とカイは、門のところでエリクに見送られていた。
「では、お気をつけて。……カイ、貴方は命懸けで王子を護衛するように。分かってますね?」
「分かってるよ」
エリクからの注意にカイはフイッと顔を背ける。
相変わらず、二人の間に流れる空気がピリピリしてる気がするなぁ。
それでも、指示に従うカイはさすがです。
「……王子、約束は忘れずに」
「うん、日が暮れる前に帰ってくるよ」
「それならいいです。それと、変装は解かないようにして下さいね」
「はーい」
エリクの長い話に飽きてきた頃、ようやく城を出発した。
城から町まで、徒歩約20分ほど。
町に着くまでに、現在の俺達の格好について説明しておこうか。
服は、どこにでもあるような目立たないものを着用。髪はともかく、俺の瞳は王族の証である緑色のため、眼鏡で隠している。
カイは服以外、変わったところはない。もしもの時に剣は必要なので、腰に携えている。
いいよねー。まぁ、俺も眼鏡しただけなんだけど。……誰も得しない。
カイも眼鏡すればいいのに。爽やかに笑ったところを写真におさめて国中の腐ったお友達にプレゼントし(ry
あー、語りたくなってきた。
ディーたんの家は城下だけど、用事があって留守だろうし……。
「(ベルはずっと黙ってるな)」
微かな悪寒を感じながら、カイは俺の様子を見ていたらしい。
そして、なんだかんだ考え事をしている間に、俺達は町に到着したのだった。
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