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俺が目覚めると、ちゃんとベッドの上で眠っていた。
やっぱり、エリクが運んでくれたみたいだね。さすがっ。
「……あれ、まだ朝か」
窓から見えるのは、俺が滅多にお目にかかれない朝日。
どうしよう。
2日続けて早起きするなんて……。
何か事件でも起こるのかなー? なんて。
「そんなわけないか」
あはは、と乾いた笑い声を上げてから、ため息を吐く。
せっかく早起きしたんだから、散歩でもしてこようか。不思議と眠くないし。
きっと、疲れたら二度寝出来るだろう。
「……たまには、顔見せに行くのもいいよね」
誰に言うでもなく、独り言を呟く。
そして、ベッドから降り、クローゼットから着替えを取り出すと、素早く身支度をした。
「よし、中庭に行こ」
部屋から廊下に出ると、メイドさん達を数人見ただけで、誰かと出会うことはなかった。
恐らく、食事や洗濯で忙しいんだろうね。
……うん、俺のお嫁さんは料理が出来て、心の広い可愛い女の子がいいなっ。
残念ながら、城のメイドさん以外の女の子にはあまり会ったことないけどね! ……はぁ。
「どっかに居ないかなぁ。料理が出来るお嫁さ――」
「おや? ベル坊っちゃん。今日は早起きですねぇ」
「あっ!」
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