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「……ありがとう」
「いえいえ。私は、坊っちゃんの笑顔が見たかっただけですよ」
「パウルぅ……」
優しい笑顔とともに頭を撫でてくれる。
何か、キュンってきたんだけど。
おじいさま、素敵。
「パウ――」
「きゃああああっ!!」
危うく俺が新たな扉を開きそうになった瞬間、ズサササ、と凄まじい音と悲鳴が傍で聞こえた。
なんてことだ。俺はノーマルなのに……。
これも、おじいさまパワーだろうか。
いや、それより、俺を救ってくれた人物の救助を!
誰なのかすぐ分かったけどね!
「……大丈夫? エリノアちゃん」
「うぅ」
盛大に顔面から転けていたエリノアちゃんに声をかけながら、立ち上がらせた。
顔面からいったけど、ちょっと鼻先を擦りむいただけで済んだようです。大怪我じゃなくて良かった。
「エリノア! 大丈夫かい?」
「……おじいちゃん」
パウルも慌ててエリノアちゃんの傍へ行き、頭を撫でてあげていた。
さて、俺はマイポケットから、絆創膏を取り出す。
エリノアちゃんが、いつドジをしてもいいように用意してあるのです。
他にもマイポケットには、色々と役立つ物が入ってたりするけど、それが何かは秘密だよ。ふふふ。
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