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隠れていたのにバレてしまうなんて。 さすが、我が国の騎士ですね。 観念して出て行こうではないか。 「ふふふ、バレてしまったのなら仕方ない」 「あ、いえ。体が半分見えていたので」 「……そうですかい」 もう。さっきから恥ずかしすぎるんだけど。 赤面しながら、カイの隣にいる騎士を見上げる。 エリクと同じ身長に、カイと同じ金髪と青の瞳。 名前は、ヨハン・シュバルツ。 カイのお兄さんで、騎士をまとめる隊長をしている、イケメンです。 若いけど、真面目で世話焼きで頼りになるので、城のメイドさん達に人気のよう。 そんな彼だから、父様も隊長を任せているんだと思う。 「ベルが早起きなんて珍しいよな。それも2日連続で」 「カイ、ベル王子に失礼だろう? 王子でも、たまには早起きぐらいするんだから」 「兄貴、それも失礼だと思うぞ」 「?」 「悪い、ベル。泣くなよ」 「……あははー、泣いてないよー。これは汗だもん」 そう、目から流れてるのは心の汗だよ! 泣いてなんかないんだからねっ! うぅ……。 ヨハンさんは、無自覚で黒いことを口にするから、怖いよぅ……。 でも、いつも優しいから、嫌いになることはないんです。 俺もお兄さまがほしいなー。 .
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