3。

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気がつけば、フォル先生の授業の時間になっていて、俺は机と向き合っていた。 どうやってここまで来たのか覚えてないが、多分、普通にカイ達と別れて来たんだと思う。 どうして胸が痛かったのか、分からないまま。 カイとヨハンさんの仲の良さに羨ましくなったのか。それとも、別の理由があるのか……。嫉妬以外で。ここ重要。 思い出すと、再びズキズキと胸が痛みだした。 もう一回言うけど、嫉妬じゃないからね? そういうことで、勉強に集中出来ずにいた。それが、フォル先生にバレないわけなく。 「……王子? どうした?」 「あ……。いや、ちょっとボーッとしてただけ」 へへ、と俺が笑うと、心配してきたフォル先生は、俺の後頭部に手を置いて引き寄せ、額と額をごっつんと重ねた。ちょっと痛かったし。 「……いたい」 「風邪じゃないみたいだが……」 間近で見るフォル先生の瞳は綺麗で、吸い込まれそうなぐらい力があった。 その目に何もかも見透かされてしまいそうで、俺は目を伏せた。 「……そんな顔されると、苛めたくなるな」 「へ……ぁ」 チュッ、という音とともに頬に触れた柔らかい感触にビクッと震えるが、すぐにフォル先生から離れて睨み付けた。 キスされても、引っ掛からないんだからね! 「な、なに!?」 「おー、元気でたか?」 「からかうのは止めて下さいよ、先生」 ムッと膨れても、クスクス笑うフォル先生を見れば、力が抜けそうになる。 でも、余計なことは考えずに済んだから、感謝してあげるよ、先生。 .
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