3。

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おやつタイムのため、俺達は木陰からベンチへ移動した。 俺はどこからともなく取り出した濡れタオルを、ベルに差し出した。 やっぱり、手はきちんと拭かないとな。 手を拭いたベルは、俺の作ったクッキーを美味しいと食べてくれていた。 「ん、おいしーよ」 「良かった」 だけど、しばらくして。 ベルに話しかけても、ほとんど上の空であることに気がついた。 「……ベル?」 「あ……、なに?」 「何か悩んでるのか? 相談、乗るぞ?」 「……ううん。大丈夫だから」 ベルは、困ったように笑った。 時折見せる、寂しいような泣きそうな表情に、目が離せなくなる。 深く聞くことが出来ない俺は、そっと頭を撫でてあげた。 「カイ?」 「元気、出せよなっ。俺、何も出来ねーけど」 「……あ、りがと」 頭を撫でられ、ベルはキョトンとした顔をしていたが、すぐに笑顔になってくれる。良かった……。 「カイは、そのままでいてくれればいいから。いつも通り笑ってて」 「分かった。でも、何かあったらすぐ言えよ?」 「……ありがとう、カイ」 「おう。……親友、だからな」 「うんっ。カイが親友で良かったよ」 “親友”という言葉を自分に言い聞かせるように口に出す。 そうしないと、この笑顔は見られなくなる気がするから。 でも、やっぱり俺は――。 .
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