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ベルside.
考えに考えた結果。
胸の痛みの正体は、俺もお兄さま欲しいなぁ……という憧れからくるものだと判断した。
それなら、カイがヨハンさんに撫でられてるのを見てズキッてくるのも頷ける。きっと、そうに違いない!
「――そういうことだよね! クラウもそう思わない?」
『なにが?』
その日の夜。
夢の中に直行すると、早速クラウに同意を求めた。
「だーかーら、兄弟についてだよ! 俺、一人っ子だから、お兄さまが欲しかったって。クラウは?」
『俺も一人だが……兄はいらないな』
「へぇ……じゃあ、弟がいいの?」
『まぁな。妹よりかは弟の方がいい』
「俺も姉より兄の方がいいなー。それで、妄想するんだー」
『それは、兄が可哀想だな』
俺がにやけていると、クラウは苦笑していた。
良かった。昨日は元気なかったみたいだし。
やっぱり、大切な友達には笑っていてほしいからね。
「さすがに今からお兄さまが欲しいって言っても無理だからなぁ……」
『諦めるんだな』
俺の呟きにクラウの声が答える。……むぅ。
『お前には、兄のような存在がいるんだろう?』
「まぁ……」
エリクとか……フォル先生とか?
二人とも頼りになるけど、Sだからねー。
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