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人で賑わう通り道。
野菜や果物を売る元気なおじさんの声。
それを買う仲の良さそうな親子の笑い声。
ほかにも、楽しそうな声が聞こえてくる。
活気のある町の光景に、俺は自然と笑みを浮かべた。
「やっぱり、町はいいね!」
「そうだな!」
城と同じような温かさがあって嬉しくなる。
これが、父様の国。いつか俺が受け継ぐ国なんだと。
「……じゃあ、行こうか!」
「おう!」
まずはお昼が近いということで、俺達は昼食をとることにしました。
「おねーさーん。いつもの二人分お願いしまーす」
「はいはい! ちょっと待っててね」
城下へ遊びに来るとよく食べに行く店に入れば、美人なお姉さんがテーブル席へ案内してくれた。
ここの料理はすごく美味しい。特にトロトロ卵のオムライスが絶品です。
「腹減ったな」
「だね」
カイの呟きに俺も頷いた。
けど。
「お待たせしました。特製オムライスです!」
「早っ」
「相変わらず早いね。お姉さん」
「うちは、早くて美味しいのが売りだからね」
カイは、頼んで5分もしてないよな!? と驚き、俺は自慢気に話すお姉さんにさすがだなぁ、と苦笑する。
「おーい! こっちも……」
「はーい! 今、行きまーす! ……じゃあ、ごゆっくり」
他のお客さんに呼ばれたお姉さんは、接客に戻って行ってしまった。
「……食べよっか」
「……おう」
早さの秘密も気になったけど、お腹すいたので、とりあえずいただきましょうか。
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