4。

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‐‐‐‐‐ ベルside. 「――ん」 ピクッと指先が動く。 ひんやりした空気と固い床に眉を寄せた。 目を開けてみると、周りは薄暗くて一瞬びっくりした。また、ヘンゼルの店かと思ったし。 「久しぶりに誘拐されたなぁ……」 体を起こそうかと思ったけど、両手両足が縄で縛られていたので止めた。 それに、変な薬を嗅がされたのか、頭が痛くてぼんやりするから、寝ていた方が楽なんだよねー。 「ここ、どこだろ」 唯一自由な首を動かすと、天井付近に鉄格子をはめ込んだ小さな小窓があった。 そこから見える空と明るい月のおかげで、今が夜だということが分かる。 っていうか、ここってよく見れば、地下牢的な場所じゃないですか。 俺、人生で初めて入るなぁ。これからも入る予定なかったんだけどねー。 「…………」 こういう時って、慌てた方がいいのかな? でもなぁ……。 そういえば、カイは大丈夫だったかな。 きっと、責任感じてるだろうなぁ。お母さんだし。 まぁ、カイは無事だと思うことにして、早く助けに来てくれないかな。 結局、小説買えなかったし。ふふ……あとで覚えてなよ、誘拐犯さん?  それにしても、ディーたんのばか。 絶対、俺の居場所知ってるくせにぃ。 そんなに焦らさないでっ……早く、早くきてよぉっ! ……なんてね。 「…………お腹すいた」 .
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