66人が本棚に入れています
本棚に追加
「…それとも、全部、終わりにするか?」
終わりと言う言葉にハッとして、時季を見上げると、フイッと顔を背けて、出ていこうとする。
ズキリと胸が痛む。
「っ…、や…、いや…、まっ待って、時季っ」
行かないで!
去って行く時季の腕に追い縋る。
「時季が、す…すきっ。
私だけのものになって…
…おねがい…、そばにいて」
時季の背中に顔を埋めて乞うように言う。
「…(ポソッ)やっと言ってくれた…」
時季が振り向いて、ギュッと私を抱きしめた。
「うん、カナ…、俺も好きだよ…」
時季の微笑が私の視界をいっぱいにする。
他の誰にも見せたくない。
彼のことを独り占めにしたい。
私のもの―――…
最初のコメントを投稿しよう!