されどクラクション

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女はむしゃくしゃしていた。あのクラクションが原因だ。 自分のしたことは、他の人もたくさんしている。 それなのに何故、自分が何度もクラクションを鳴らされなければいけないのか。女はそのことを無意識にも引きずりながら社内に戻った。 女は洋服のデザイナーで、後輩をよくいじめている。 女はいつも以上に後輩に対してきつく当たった。八つ当たりのようなものだった。 八つ当たりは歯止めが効かず、いつものいじめよりひどいものだった。 その日、後輩の一人は涙を流して帰っていった。
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