第7話

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「お昼間際に来客があって、そっちの対応に追われてたんです」 「そうなの、お疲れ様」 席に着いて 「お兄ちゃんからのメールですか?」 お弁当を食べ始めた優子ちゃんが何気に聞く。 「…ん。まあね」 お茶をすすりながらすまし顔で答えれば。 「やーだ、先輩ってば照れちゃって。  さっき、すっごく楽しそうな顔してましたよ」 「え!? 違うよ。 楽しくなんかないよっ!?」 「はい?」 優子ちゃんはあたしの勢いあるうろたえに 目をぱちぱちさせている。 「あ、」 そうだった。  和也さんからのメールだって言ったんだっけ。 落ち着け、 この子は急に出現した常務の存在を知らないんだ。
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