第7話

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「いや、何でもないよ。 そうなの。 楽しくて、順調」 「心配してたけど、ずばりっ、 お兄ちゃんと進展があったんでしょ~?」 う゛。 何か、最後にハートマークがくっついてるようなしゃべりで… 何が聞きたいか、想像は大体ついた。 「ないよ、何にも。  和也さんは今、シンガポールへ出張中だから」 優子ちゃんは散らし寿司定食についていた お吸い物に口をつけた後、続ける。 「ふーん? でも、ま、よかったよかった。  これでも内心、心配してたんですよ」 「心配って?」 「んー…だって。  先輩がお兄ちゃんを思う気持ちって、 まさに“兄妹愛”って感じで、恋心とは違うなって思ってたから」  「ぇえっ?」 あたし、今、間抜けな声だしたかも。
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