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その未練も含めて、前世の記憶を失っていることだ。
ここで目覚めた時、正直自分が何者であるのかすら覚えていない。
そして、俺たちは目覚めた順に番号を付けられ、それで呼ばれる事になる。
俺は「1173号」
それ以外は何もわからない。
ただ……あぁ、ダメだ。
いつもこれ以上考えようとすると、思考がごちゃごちゃになって考えられなくなる。
下界に居過ぎたせいか身体も怠い。少し部屋に戻って横になることにした。
目の前の真っ白でやたら長く続く門を潜る。
触ってみるとひんやりしており、少し強く押すと指の形に窪みが出来る。
粘土のような柔らかさだが、手を離すと元に戻る。いつも思うがこの門といい、中の建物といい、何で作られているんだ……?
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