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「ねぇ…ヤヨイ。
この人…怖い?」
ヤヨイの背後から出てきたのは長い黒のロングストレートの可愛らしい女の子。
物腰の柔らかい、和服の似合いそうなイメージ。
しかし、何故か少し怯えている様だ。
「もう…アカリったら。
大丈夫よ。彼はあなたを襲ったりしないから。」
ヤヨイはアカリと呼ばれる子の頭を撫でている。
さらに背後にも二人女子がいるが、アキを見ながら舌打ちしている。
(いやいや…君たちは俺の事なんだと思ってるんだ?
そりゃ~ハヤトと比べるとイケて無いかも知れないけど…あいつみたいに変態じゃないし。)
アキは再びハヤトを睨んだ。
「ハヤトのハーレムに巻き込まれるのは勘弁してくれよな。」
ハヤトに丸投げするアキだったが肩をガッチリ掴んでこられ、身動きが出来ない。
「よし。じゃ~みんなで行こうか。駅前のショッピングモールの所でイイよな?」
「それじゃ~決定ね。
やっとハヤト君とカラオケに行けるのね。」
さっき舌打ちした女の子達は喜んでいる。
(俺はこいつとカラオケに行けるだけで喜べるお気楽な感情は持ち合わせていない。)
「じゃ~行こうか。
アキ!今回は逃げんなよ。」
この男は何故かアキを逃がしまいとするがそれは間違いである。
前回誘われた時はアキの知らないうちにみんなで次の場所に移動しており置き去りに。
その前々回は待ち合わせの場所を聞かされてなかったから行けなかった。
(あれ?俺は意図的に避けられてるんじゃないか?)とアキは感じ取っていたが、気づかないふりをしているのだ。
「はぁ……。」
今回もお邪魔虫扱いになると考え、憂鬱さが全身から漏れ出している。
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