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青木ヶ原、別名富士の樹海。
夏だというのに冷んやりと涼しい山中にハイキングには似つかわしい大きな荷物と機械を背負っている25人の男達が歩いていた。
額から汗を流しながら獣道を進んでいく迷彩服に包んだ彼らはキャンプに来たのでは無い事は分かる。
彼らの表情は緊張だろうか、やけに強張っていた。
「神狩(カガリ)隊長。
そろそろ目的の付近です。」
隣にいる男が地図とコンパスを手に神狩隊長と呼ばれる50代のがっちりした男に告げた。
「そうか。
では作戦を開始する。
全員武装せよ!」
神狩隊長の掛け声で全員が肩にかけていたマシンガンを構え、安全装置に指をかけた。
その素早い装着から見るに彼らは特殊な訓練を受けている事は明白だ。
そんな彼らを威圧するかの様な低い声で神狩隊長は話し始めた。
「貴様らは鍛えあげられた精鋭部隊だ!
目標を調査し、襲ってくる場合は制圧せよ!」
「「「了解!」」 」
神狩隊長は部隊を引き連れ、ゆっくり前進を始めた。
15分後、彼らはとある場所に到着した。
直径5メートルの地下に続く穴。
土がドーナツ状に盛り上がった所、自然に出来たにしては不自然であるその穴はどこまで続いているか分らない。
神狩隊長は荷物を置くと隊員が椅子や簡易な机を用意し、無線や地図を並べ始めた。
神狩隊長は部隊に整列を掛ける。
「部隊は班に分かれ、待機。
先行部隊は穴へ侵入し、安全を確保の後、さらに侵入を試みよ。
安全の確保が出来次第、第二班が降下する。
作戦は10分後だ。
以上!解散!」
神狩隊長の指示で班に分かれてそれぞれが行動を開始した。
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