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パックにストローを通し、一口飲む.
「はぁ……生きててよかった~。
ここのフルーツミックスは最高だ。
濃厚な味わい。」
これを飲むと先程までのブルーな気持ちもリセットされるようだ。
彼のお子様は考え方だけではないようだ。
アキはフルーツの味に酔いしれている最中だが背後から人が歩いてくるのに気付き、振り向くと茶髪のイケメンがニヤニヤしながら近づいてくる。
「ニヤニヤしやがって…この野郎。」
アキが軽く睨んでいるが変態イケメン野郎はどんどん近づいていく。
「アキ~やっぱりここにいたのか。
終わったんならゲーセン行こうぜ。今日は負けねーぞ!負けたままじゃ男が廃るってもんだ!」
学校指定のカッターシャツやズボンをオシャレに着こなし、身長も180センチ。イケメンで誰にでも優しい。
ニヤニヤしたイケメン野郎とは成海 勇人(ナルミ ハヤト)。
アキと同じクラスで男子に頼られ、女子に好かれの最強ボーイときた。
それに比べてアキは、見た目普通。
身長はハヤトより10センチ低い。
男子からも女子からも好かれもせず、嫌われもせずの取り柄なし。
唯一の特徴が左目の泣きぼくろだが、そんな事よりアキは彼に言いたいことがあった。
「起こせよ!
お前のせいで説教のフルコースだぞ!」
睨んでいるアキにハヤトは笑顔で近づいてくる。
「いやいや。俺はちゃんと声かけたじゃん。
起きないから悪いだよ。」
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