出会い

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「本当にエロい体」 「うるさいっ」 雅騎は笑って、海月に熱いキスをする。 今までに感じたことのないキスは海月の思考を停止させる。 火照る体は熱を帯びる。 「…本当に初めてじゃない?」 「ヤッてきた回数は多いわ。でも、どの男もあまり触れてこようとはしなかった」 「そうなんだ。じゃあ、俺好みに調教してあげようかな」 カプ、と雅騎は海月の首に噛みつく。そこからは血が出る。 その傷の部分を雅騎は舐める。這うように生暖かい舌は海月を溺れさせる。 痛い。 けど、クセになりそう。 思わず上げた声だった。けども、既に体を許してしまっていた。 耳を甘噛みして、優しく熱い息が掛かる。そんな吐息が海月を溺れさせようとする。 「はぁ、たまらない」 「…?」 「その腕で何人の女を抱いてきたのかしらね」 減らず口を叩く海月の口を雅騎は、熱くて甘くて激しいキスで塞いだ。 海月の瞳は雅騎しか映していなかった。 雅騎しか考えられずにいた。 「俺の腕の中で溺れてみない?」 「いいわ。楽しそう」 熱くなった雅騎の体は、海月と重なることによってお互いの熱を高めていった。 海月は雅騎の背中に腕を回し、脚は足掻くように雅騎の脚に絡まるようになる。 雅騎は額から汗を流す。 その汗は海月の頬にへと垂れる。 海月はわざとらしく舐めとって笑ってみせるけど、そんな余裕はなくなってきていた。 熱くなり続ける体。 口から漏れる甘い喘ぎ声。 ベッドは軋んだ音を立てていた。 「海月…」 優しく雅騎は海月の頬を撫でる。 この表情を海月は知っている。 どの男も浮かべた表情。 獣のように本能を抑えきれない男の表情。 獣のようにほんの少しも我慢できない表情。 ステキ。 「もっと。もっと魅して。その表情で私を魅して」 声なんてのが届いてるのかなんて知らない。ただこのときの海月はもっとそんな表情を見ていたかった。 雅騎は熱く体を重ねた。
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