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エロハゲじじぃの書類には大和撫子のような美少女だって書いてたのに……、大和撫子のやの字もない幽霊だ。
若ければいいのか……、やっぱりエロハゲじじぃだ。
まぁ、いいや。
面白いし。
「なぁ、幽霊。」
『妖怪様だ、アホ!』
……クウォーターなら妖怪って言うよりは人間だな、ほとんど。
「名前は?」
『……………………バカぁ?自分でいってたじゃない。』
…………スッゲェー、ムカつく!!
頬がひきつるのをおさえて、ニカッと笑えばまるで虫けらを見るかのような目で見てきやがった。
…………ふ……、
「お前こそ、バカかぁ?」
幽霊の眉がピクリっと動いた。
「妖怪、なんだろ?種族は?種族の中での名は?……まさか知らないのか!?」
わざとらしく驚いてみた。
幽霊は俯いており、表情はわからない。
が、肩が怒りからか震えている。
幽霊がバッと顔をあげた。
『どうせ……、どうせ私は半妖にも程遠いわよ!!名前なんか貰えない……
…………親にも捨てられた、哀れな幽霊よ!!』
幽霊は一瞬、泣きそうな顔をして俺の前から消えた。
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