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榊はスタスタと私の目の前に歩み寄る。
「二十年前、ここで一人の女子高生が転落死した。
当時、彼女は一月前から行方不明になっており、なぜ転落に至ったかは不明。
またその日、屋上のドアは鍵が厳重にかかっており、鍵は数年前より無くなっていた。
暴行された後もなく警察はやむなく自殺、と判断した。
多少の謎が残るものの、彼女の親族は年老いた老夫婦のみ。
抗議するすべを知らない老夫婦は涙をのんでその結果を受け入れた。
が、その後不可思議なことが起きた。
」
榊は無表情で淡々と語っていたのを止め、少し口角をあげてみせた。
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