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あちこちの部署にたらい回しされるように、何度も行ったり来たりを繰り返している途中のこと。
デスクに戻るほどの暇はなかったのだが、隣のフロアに呼びつけられて、自分の所属するフロアの前を通った。
上杉が電話を片手に何やら楽しそうに話している顔が目に入る。
それを見て、心の底からホッとした。
──この間、キッチンシンクを発注し損ねるというミスを犯した時の彼女の姿は、見ていられなかったからだ。
あんなミスは滅多にないし、あったとしても大体工期には少しの余裕があるものだ。
ただ運が悪かったというか、年末の休みが挟まれることなどそうそうなくて。
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