第7話

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だけど事態は思うよりも早く転がり始めていた。 「リカ………どうだったかな」 一学期もあと1日となった放課後。 采女と職員室に向かう。 お金を貸してくれと言った次の日から、 リカは学校に来ていない。 最初はリカのお母さんから、風邪気味という欠席の連絡があったけれどそれもとうに1週間を過ぎた。 「沢田先生の言ってた、気になることってなんだったのかしら」 采女の言葉に黙って頷く。 心配した沢田先生が、リカのおうちに連絡したところ、急遽家庭訪問が決まり自習になっていた。 職員室の扉を二度、ノックしてから横にスライドさせる。 「失礼します。 沢田先生に用事があるので入室よろしいでしょうか」 「ハーイ」 パソコンを見ながら軽く許可をくれた 扉に一番近い先生に会釈して、沢田先生を探す。 と、同時についつい先生の姿がないか見回す。 良かった………いない。 あの日以来、先生との接触をできるだけ避けていた私。 といっても、授業担任じゃなければ 最初から接点なんてほとんどない1年生。 案外簡単に、糸は切れてしまっていた。 それでも今は、どんな顔して会えばいいのか分からない私は、そんな環境に切ないような、ホッとしているような。 複雑な状況だった。 「あれ?沢田先生、まだ帰ってないよー」 采女と沢田先生の机を目指していると。 長谷川先生が、キャスター付きの椅子をコロコロと後ろに転がし、体を反らせながら 顔を出した。
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