第7話

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先生にフラれてから。 落ち込む間もなく 期末テスト期間に突入した。 それも今日で終わりを迎え、あとは夏休みを待つだけ。 なんだか学校中が浮き足立っているようだ。 「あー!終わったー!! 夏休み、いっぱい遊ぼうね、郁」 おへそが見えそうなほど背伸びをして 開放感を全身で表すリカ。 「うん。そうだね」 「どっから行こうかなぁー。 見たい映画もたくさんあるしなぁー」 破顔一笑ってこういう表情なんだろうな。 キラキラしたリカの笑顔を見ながら そんなことを思った。 「郁ちゃん、ちょっといい?」 声をかけられて振り返ると 微笑みながら、采女がノートを持って立っていた。 同時にすっと私の前から立ち去るリカ。 「………完全に嫌われちゃったかな?」 「采女………」 弱々しく微笑んで、肩をすくめる。 あれ以来………二人がケンカした日以来、 リカは采女と会話しようとしない。
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