第7話

20/40

133人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「いよっ♪ハムちゃん!」 「………羽村です」 「かったいなぁー。ハムちゃんのが可愛いじゃん! ねっ!二階堂陰陽師!」 「長谷川先生、わたくし、 陰陽師の末裔ではありますが あくまで巫女です」 采女の答えが耳に入っているのかいないのか。 にへらーと、相変わらず軽い調子の長谷川先生の瞳がキラキラと輝く。 「なーなー、陰陽師! 歴史的には陰陽師って、中国の夏、殷(商)王朝時代に はじまって周王朝時代にほぼ完成した 中国古 代の陰陽五行思想 に立脚してるって言われてるだろ? でもホントのとこ、どーなの?」 いつの間にか椅子をまたいで、背もたれに肘をかけて采女に興味津々の長谷川先生。 「あら、先生お詳しいんですね。 諸説ありますが、中国で は陰陽家の思想は儒教や道教などに吸収さ れて、日本の「陰陽道」に相当する独自の 体系は発達しなかったとされているんです。 なので近年は………」 「ーーーねぇ、ソレ、時間かかる?」 背中からの会話を遮る声に、心臓が暴れる。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加