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「ドーモ。
羽村、進路指導室で待ってて」
先生の言葉に頷き、鍵を受け取った。
刹那、ふわりと立ち上る、先生の薫りが鼻をくすぐり一瞬であの日に心が戻る。
手がかすかに触れ、ドッと血液が顔に集まるのが分かった。
そんな私にクスリと笑みを落として
背中を向ける先生。
顔が赤らんでいるのを采女たちに見られないように、急いで進路指導室へと向かった。
久しぶりの………先生の薫り。
胸の奥がきゅぅっと、甘く締まる。
ーーーダメだ、こんなんでいちいち泣きそうになってたら、この先どうするの。
頭を左右に振り、進路指導室の鍵穴に鍵をさす。
だけど、建て付けが悪いのか、鍵がうまく回らない。
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