第7話

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その真剣な眼差しを見て確信する。 先生も、采女と同じように最悪の事態を想定しているんだって。 机の下の拳をぎゅっと握りしめた。 「絶対………ひとりで動くな」 「………はい」 「ん」 熱気をはらんだ生ぬるい風が、 窓から遠慮がちに流れてきた。 先生はその風を味わうように 窓へと視線を動かして。 「元気………してた?」 やっと聞き取れるほどの声で、 そう呟いた。 「………はい」 「そ。じゃあヨカッタ」 夏の夕方の匂いのせいなのかーーー 切ない空気に胸が苦しい。 「何かあったら、いつでも連絡してきなサイ」 「………」 あの日以来、先生を諦めようと必死に距離を取ってきた。 苦いモヤに心が包まれ、素直に返事ができない。 「………連絡ナイのが、一番コタエル」 揺らぎながらこぼれた言葉に、 ぎゅうっと体全体が絞られているみたいに痛い。
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