第7話

28/40
前へ
/40ページ
次へ
「お前が泣いてないかとか、悩んでないかとか………。 イヤになる」 外を見たまま、ボソリとこぼされた言葉に 胸が甘く痺れる。 なんで………そんなこと、言うの? 「先生の、オニアクマ」 「………随分な言われようだな」 先生が、くはっ、と小さく笑いを漏らす。 その低く響く声が、また私を刺激する。 先生は自分の一言で、私が浮かれたり凹んだり………。 どれだけ私の中に住み着いて、振り回してるのか、知らなすぎる。 「先生の優しさは、残酷です」 「………ソーデスカ」 「ソーデスヨッ!!」 言い返す私に小さく笑った。 悲しくて、悔しくて、泣きそうで………。 気を抜いたら全部全部、こぼれ落ちてしまうから、外の日差しを睨みつけながら耐える。 「………しょーがないデショ」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加