第6話

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「帰るの?」 「邪魔しに来たんだろ?邪魔が入ったら描けないだろ?お前さ、頭可笑しいだろ?」 「うん。ちょっとね」 話にならない。俺は大きく女に聞こえるようにため息をつきながら席を立った。 ジーンズに付いた芝生を叩いて、その場を去ろうとしたら急に女が俺のTシャツを掴んで 「あの……あなたの家についてっていい?」 「はぁ?」 「あなたの他の絵が見たいの」 眼を逸らし、Tシャツを堅くつかんだままそう言い出した。 「言っとくけど、俺、一人暮らししているんだけど」 「遠いの?あなたの家」 「一駅先だけどさ……」 「近いじゃない。見に行っていい?」
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