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「帰るの?」
「邪魔しに来たんだろ?邪魔が入ったら描けないだろ?お前さ、頭可笑しいだろ?」
「うん。ちょっとね」
話にならない。俺は大きく女に聞こえるようにため息をつきながら席を立った。
ジーンズに付いた芝生を叩いて、その場を去ろうとしたら急に女が俺のTシャツを掴んで
「あの……あなたの家についてっていい?」
「はぁ?」
「あなたの他の絵が見たいの」
眼を逸らし、Tシャツを堅くつかんだままそう言い出した。
「言っとくけど、俺、一人暮らししているんだけど」
「遠いの?あなたの家」
「一駅先だけどさ……」
「近いじゃない。見に行っていい?」
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