またいつも通りの魔法使い

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「青い空、青い海、そして……あっダメ吐きそうでゴザル」 「酔う人間って酔わない奴からしたら訳が分からないんだよね、俺らにゃ感じられない世界を体感してる訳だし」 今アルスとカゲタネの二人は船に乗っていた。 それも、リヴァイアサンと戦いに行く時の様な漁船ではなく、海賊船を襲撃する時に使ったイカダでもなく、ちゃんとした帆船に二人は乗っていた。 久し振りのまともな旅。それにアルスにとっては初めての大陸の外であった。 「楽しみで仕方ねぇよ……カゲタネの故郷とやら、ネオサイタマはよ」 「ネオサイタマでは魔法よりも機械寄りでゴザルからな、見たこともないような物が山程あるでゴザルよ?」 「観光か、最高じゃん! 今までロクな人生送ってこなかったからな……」 走馬灯の様に流れ出すさほど長くないアルスの人生。暗く、辛く、苦い。そんな日々とはもうおさらばしたのだ。 そう、アルスがネオサイタマに行くことになった経緯は意外と簡単なものなのだ。
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