またいつも通りの魔法使い

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「よし、全員集まったな。じゃ、話を始めるか」 魔王城談話室、そこにはそうそうたる面子……とは思えない集団が集まっていた。 魔法使い、黒装束、神官、青ドレスの美女、魔女っぽい幼女、妹。 少なくともこんな連中が魔王軍を動かしているとは思えないだろう。だが事実である。 アルスが話出そうとした瞬間、青いドレスの美女が手を挙げる。 彼女はレヴィア、水系魔法を扱う変態である。 「旦那様、話とはやはり式の日程が決まったことですか!」 「え、式? 葬式? やらないよ?」 「そうですよね、今までは金銭的な問題で出来ませんでしたものね。でも今は違う……! 一国の王と王妃!」 「えー、レヴィアと会話が成り立ちそうにないのでこのまま進めるぞー。今回の議題は『ネオサイタマ渡航』だ」 だが、返事はない。恐らくネオサイタマという言葉が分かっていないのだろう。 それについても補足しなくてはいけないのは面倒なことだ。 「まあつまり、ちょっとした旅行だ」 「新婚旅行!」 「レヴィアてめぇは黙ってろ!」 「……拙者の忍者刀はこの国では入手することが出来ないのでゴザル。そのため拙者の故郷であるネオサイタマまで行かなければならなくなってしまったのでゴザルよ」 「……そんなことで呼んだのか? お主のことじゃから勝手に行って帰って来るなりしていたと思ったのじゃが」 と、幼女が的確な発言をする。 彼女はへギド・ミー。アルスの師匠で様々な魔法を扱うロリババアだ。
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