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重く暗い灰色の空から、ザーザーと音を立て雨が降っている。
ひどく頭が痛い。今夜はもう寝てしまおうか。
ノートパソコンを閉じて椅子から立ち上がると、コンコンと扉をノックする音が部屋に響いた。俺は扉へと足を進めドアノブに手をかける。
扉の向こうにいるのは、「彼女」だとわかっているのに、俺は扉を開けられなかった。ああ、頭が痛い。
「ごめん、今夜はもう寝るよ」
俺がそう声をかければ、「彼女」が扉から離れ、廊下を歩いていく音がした。
ぽたり。
俺の目から涙が溢れる。疲れすぎたのだろうか、ああ、早く眠ろう。
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