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橋から川を眺めていた
高さは結構ある
川は浅く綺麗だ
私は少し身を乗り出して伺う
何かが手招きしたように見えた
“ここから飛んだら楽になるだろうな”
その思いだけが何度も繰り返す
高さと川の浅さは申し分無い
ふと思い出す
私の手の中に角が欠けた携帯
この中にたくさんの仲間がいる
顔の知らない優しい仲間達…
私は橋のフェンスから1歩下がる
上空高くカラスが飛び回り鳴いている
私のカラッポな心は泣いている
ギュッと携帯を握りしめて
また川を見下ろす
この携帯の中に何人……いるだろうか?
私が死んだって何も知らない
知り得る事は決して無い
誰かが手招きをする
私は半分身を乗り出して川風を浴びる
私の首に何かが巻き付いた
それは仲間の事だった
私は1人になりたくないから
色々やらかすけど
そのせいで私の周りにドンドン仲間が出来てゆく
それは嬉しいけれど
私の思いと考えと
色々な事が絡まって
橋から飛ぶ事が出来ないでいる
裸足の爪は紫色になっていた
葉桜の花びらが鬱陶しい
けど、綺麗だと素直に思える
私は再び歩き出す
川を眺めながら
携帯を握りしめながら
死を考えながら
。
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