第5話

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翌朝、8時ちょうどにマンションの下に着いたと課長から連絡が入った エントランスで待っていたのですぐに 車に向かうと、驚いた様子で車から降りてきた 「課長、おはようございます」 「あ、おはよう。部屋にいたんじゃなかったのか?」 「待たせてはいけないって思って少し前に下に降りてました」 ニコって笑って答えると 「…………お前病み上がりなんだし、変な奴だっているんだから気を付けろよ」 「…………課長……?」 「なんだ?」 「ちょっと過保護過ぎませんか?」 「は?俺のどこが過保護なんだ?」 「いやー色々と……」 「そうか?普通だろ」 (いやいや、普通じゃないですよ……甘やかし過ぎですって!) 「ほら、早く乗れ!遅刻するぞ」 そう言って然り気無く助手席のドアを開けてくれる 「はい、じゃあ失礼します」 私が乗り込むとドアを閉めて運転席へ乗り込み車を発進させた (ほら、そういうところですよ 普通はわざわざ降りてきて助手席のドアなんて開けませんって……) 「具合どうだ?もしまだダメなら今日は休んでいいぞ」 私の心の声などまるで無視の課長は既に次の過保護ぶりを発揮している 「大丈夫です。お陰様で良くなりましたから……バリバリ働きますよ!」 ガッツポーズを作りアピールすると 「お、頼もしいな でも無理はするなよ、早め早めに俺でも橘でもいいから頼れよ」 「はい、わかりました…… あの……課長……それより実家の方はどうでしたか……? お見合い、本当にしなくても大丈夫なんですか……?」 「……気になるか?」 「はい…」 「フッ……」 「な、なんで笑うんですか!?」 「いや、ごめん。なんか嬉しい 気にしてくれるって事は少しでも俺の事を考えてくれてたって事だろ……?」 (うっ……図星だ!そうですよ、考えてましたよ 気になって仕方なかったですよ……)
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