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ボトリ、水から追い出されるかのように博士のいる道の方へと投げられた者たちは、酸素不足に見舞われたのだろう
息もしていなければ意識もない
それと見慣れた黄色い液状生物も投げ出された
そしてこの者たちには見覚えがあった
まあ、そのうちの一人は親愛なる王の弟なのだが…
「おやおや、カース様とケモ耳萌えっ娘ちゃんじゃないですかァ
こんなところで伸びちゃうなんて
仕方ないなぁ、治すくん801号治すくん605号治療お願いします
あと溶かすくん194号おかえりなさい」
そう言うと博士の横からにゅと緑色のぷるんとした生物が二体顔を出す
ぷるぷると体を震わせながら緑色の生き物、治すくんたちは意識を失った二人をその体の中に取り込むと治療を始まだした
どうやらこの治すくんはその名のとおり生物を治療するために作られた存在のようだ
ついでに溶かすくん194号は溺れるなんてことはないのかはっきりと意識があったようで
嬉しそうに博士の周りをうにょうにょと動いていた
「しかし、ここでカースさまに恩を売るのは嫌ですね
絶対後で屈辱だって暴れそうですし
そうだ、治すくん達!そのまま二人を最深部まで送ってください
理由は適当にここに偶然運んだってことにしてくださいね
じゃあ私は遺跡調査に戻ります」
そいうゆと博士は治すくん達を置いて最深部とは逆の方向に歩き出した
ぶっちゃけ博士は手柄なんかに興味はなく、己の興味心が赴くままに遺跡の調査ができればそれで満足なのだ
それに、カース王子に下手に恩を売って罵倒されなくなってしまうのも面白くない
ならここはこっそりと偶然を装って彼に手柄を取ってもらおうではないかと彼女は思いついたのだ
全く変態とは普通の人間とはまったく考えが違うらしい
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