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とある学園の寮の一室、昼下がりな暖かい日差しを受けながら二つの影がお互いに好きな事をして過ごしていた。
パラパラと雑誌のめくる音とカリカリと何かをノートに書き込む音がだけが響く。
「なぁ棟夜」
「なんですか?」
中等部に上がってまだ二年しか経っていないというのに二人の顔付きは大分大人びていてそして恐ろしいほど整っている。
そのうちの一人が眼鏡を掛けた青年に話しかけるともう眼鏡を掛けた青年は大人らしい敬語で返事をした。
別に二人の間には上下関係があるわけでもなく、いたって普通の友人同士である。
二人とも視線を合わせずにお互いの目線の先にはそれぞれ違うものに向かっている。
それだけで二人がいかに親しいか、付き合いが長いのが見て取れる。
「最近姫の色気やばくねぇか?」
「そうですね、お風呂上りと寝起きが一番危険ですね」
二人の少年には共通点があった。
二人は一人の少年に恋をしていた。
白く赤い目が特徴的なウサギのような可愛らしい少年だ。
よくその姫と呼ばれる少年が居ない時はこうして愚痴とも惚気とも言えない会話が繰り広げられている。
他にも姫に好意を寄せている少年が三人居るがそこは割愛させていただこう。
最近二人には悩んでいる事があった。
それは少年らしい悩みで、想い人に感じる性欲に関してである。
押し留められない性欲が今にも爆発しているのではないかと危惧している。
彼らは一緒の寮に住んでいるのだが、朝起こした時はパジャマの裾から覗く真っ白くて綺麗なキメ細かいお腹が晒されていたり、一緒に風呂に入れば全身惜しみなく無防備に曝け出されそれこそ鼻血がこれ以上ないほど出そうになる事だって多々ある。
「あー犯してぇ…」
ワイルドな少年がごつんと音を立てながらローテーブルに頭を乗せる。
「気持ちは分からなくもないですが無理やりはダメですよ」
「わぁーってるよ」
どうやら二人の頭の中には姫という少年意外を相手にするという選択肢も、少年が拒むかもしれないという選択しも無いらしい。
最近はそんな事ばかり考えている思春期、そしてヤリたい盛り真っ只中な少年たちはこうして煩悩をもてあましては脳内では少年の体にあんな事やこんな事をして発散させているらしい。
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