いわゆるゾンビって奴ですね解りたくないです

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「まぁ偽物なら・・・」 しぶしぶと納得してから睦はその玩具のダンゴムシを摘み、思い切り力をこめる・・・が 「?」 再び力を入れても潰れない。試しに手のひらに乗せて上から指で押しつぶそうとしたが潰れない。蚊を潰す様に挟んで潰そうとしたが潰れなかった。 おかしい。握力100越えの俺を持ってしても潰れないとかどんな材質だこの玩具。本物みたいに軽いのになんちゅう強度だ。 「潰れないでしょ?」 男は笑顔で言うと。俺の手のひらからダンゴムシを摘み取り、自分の手のひらに乗せる。すると、玩具であったはずのダンゴムシはモゾモゾと動き出し、球体から楕円となり足をワシャワシャ動かし始める。 「・・・あり?」 「これ、本物だったんだよ」 「おい・・・でもそうだとしたら指で弾くだけで潰れるだろう?あんだけやっても潰れなかったぜ?」 「そう。それが君のもう一つの能力『不殺』さ」 「不殺?」 「君は生物を殺せないんだ。これは意思とは関係なく発動するいわゆるパッシブスキルだね。傷や怪我を負わせる事はできるけど、相手を死なせるような攻撃は無効化されるんだ。確認できてないからわからないけど、たぶん銃でも手や足には当たるけど頭とかには当たってもダメージにすらならないんじゃないかな?」 「三回生き返る能力と殺せない能力・・・」 「ゲームだと確実に壁役だね」 言った!俺が気にしたこと言った! 「因みに、僕も君と同じだからね。能力は『鑑定眼』。視界にいる人の能力を理解できる能力だ。これで君の能力も解析したんだよ」 「あぁやっぱり・・・・・・それで能力の名前は?」 「私が命名してます」 やはりこの人は患っているのかも知れない。 男は再び立ち上がり左右のカーテンを開けていく。研究室とはよく言ったもので、学校で見たような実験器具やら機材が置いてある。 そんな中、俺の正面のカーテンに手をかけたところで男は「あっ」っと気付いたように笑顔をこちらに向け。 「自己紹介がまだだったね。私の名前は久島 篝(クシマカガリ)。そして・・・」 白衣の男・・・久島が勢い良くカーテンを開けると、その先には5人の男女が並んでいた。 「私を含めた彼等が所属する組織。始末屋にようこそ。樫葉 睦君」 「・・・え?」 「おめでとう。君も今日からゾンビだ」 いや 組織ってなに?
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