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まぁモンスターって言われても反論できない状況なんだけどな。なんせ漫画染みた能力まで備わっちまったんだからよ。
「・・・・・・始末屋ってなんだろ」
勿論。始末という言葉を使っているのだから真っ当な・・・それこそヤクザやマフィアと言った堅気の目に触れない裏の仕事なのだろう。軍隊に居た頃でも軍用の銃器が不可思議に紛失した事件があったが、調べてみれば闇市に流れていたらしい。つまり、このデータにも書かれている『武器に銃系統の物も追加』ってのはそういう裏ルートから仕入れてるような組織って事だろう。
「まぁいいか」
これといって正義感がある訳でもないし、久島さんによれば俺は表の世界じゃ既に故人扱いらしい。どうやら公的機関にもいくつかコネを持っているらしく。俺みたいな能力を持って生き返った奴を検死の段階で裏へ流し、人形か何かで偽装するらしい。
骨さえちゃんと作れば、後は火葬で燃えてしまうのでそこまで手がかかる物でもないとの事。
「武器って事は何かと戦うんかな。能力もった奴を集めてるってのも気になるし」
考えれば考えるほど疑問が増えてキリが無いので、これらは後々解消することにしてゴロンとベッドに根っこ転がる。
思えば随分と可笑しな話だ。通り魔に刺されて能力もっって復活して、終いには始末屋に就職ときたもんだ。
悲しいことに。体を動かすしか能の無い俺にとっては決して悪くない状況だ・・・・・・いや、死んだのはアレだけど。
「・・・寝るかな」
今日一日で死んで生き返って実験されてと非日常を満喫した俺の精神はいよいよ持って限界だったらしく酷く眠い。明日にでも久島さんに質問攻めすればいいかと思いながら意識を手放した。
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