始末屋の面子は始末されたほうがいい面子

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朝。すがすがしく誰にでも平等に訪れる朝。一日の始まりであり一日の調子が決まると言っても過言ではない朝。そう、特に起床の瞬間はそんな一日の最初の行動ともいえる重要な瞬間である。 「・・・・・・goodmorning」 「goodafternoonだ馬鹿野郎」 目が覚めて上体を起こして前を見たらアサルトライフルを突きつけられてました。厄日決定ですねチクショウ。 「・・・・・・HK416Dとは趣味がよろしいですね」 寝起きのせいかやたら冷静な俺は突きつけられている銃を見る。それ、確かアメリカの第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊・・・通称デルタフォースが採用したアサルトライフルだった気がする。 「流石元軍人。こういうのには詳しいじゃねぇか。まぁつってもモデルガンだけどな」 高いハスキーな声で銃を下ろしてくれた女性。茶髪のセミロングで目付きは鋭く、黒が基調とされたメイド服を着ている。確か昨日見掛けた内の一人だ。 まぁその時は普通に掃除とかするお手伝いさん的な人かと思ったけど、まさか目覚ましにライフル向けたり男勝りな口調な方とは存じ上げませんでした。 「まぁいい、起きな新人。アタシはアンタに施設の案内やら色々説明しなきゃいけない上に洗濯と晩飯の材料を買出ししてこなきゃならねぇんだ。着替えはそこにあるしタオルも用意してある。ちゃっちゃか顔洗って着替えな」 そういってメイドさんはアサルトライフルを肩に担いで出て行った。性格アレだけどやることはメイドさんだった。アサルトライフルもってたけど。 また銃を突きつけられる前に俺はベットの隣においてあったタオルを持って室内備え付けの洗面器で顔を洗い、用意された服を確認がてら目の前で広げる。 見た時に判っていたが、柄は迷彩で色は黒寄りのモノトーン。色はあれだがそれ以外は陸上自衛隊できていた迷彩服と同じだ。 ご丁寧にブーツやグローブまであり、俺にとっては着慣れた服装である。ブーツはどうやらアメリカなどで使ってるコンバットブーツで、グローブは見た感じタクティカルグローブのようだ。 着替えようと破けたシャツを脱ごうとしたとき、銃の発砲音が鈍く響いてきた。どうせなら鳥の鳴き声で朝を感じたかったなぁ。
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