第1話

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 プラの薄い安物のバケツです、音がすごく響いちゃう。 「ふふふ・・可愛いね・・おしっこしてる」 「い、嫌ぁ! 見ないで・・嫌ぁぁ・・」  背後からの声でした。その一声で、静かだった女の肌がざわ めきだして、産毛を逆立ててゾクゾクが這い回り、女体が燃えて くるのです。性の震えを感じます。  羞恥とそして見てくれる人がいてくれる悦びが合わさった 説明できない感情です。 「ほうらゾクゾクしてる」 「え・・」 「見られて感じて・・濡れてきそう? ふふふ」  ゾっとします。ふと思ったことが見透かされてしまってる。  小僧さんの眸を振り向きながら、おトイレしていて、私がまだ ほんの子供だった頃、パパにトイレに連れて行ってもらったことを 思い出す。小さなお尻を男の人に向けながら、あの頃の私は笑って いたわ。  そばにパパがいてくれる。安心したし嬉しかった。  そんな想いが蘇ってくるのです。  そう言えばあのとき・・プゥとおならをしたときです。  パパはからから笑って「麻里は可愛い、可愛いねぇ」と言って くれた。  そのまま一緒にお風呂に入った・・いくつの頃だったかな・・。 「三つかな・・四つかな・・ふふふ、いまだって可愛いよ」  ああダメ、筒抜けです。まるで心眼・・。  と思ったときに、私は節穴の小僧さんを見つめていました。  体はないけど目だけはあるよ・・それはつまり肉体の目ではなく て心の目?
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