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切り抜かれた四枚それぞれを、真ん中で二つに折って、
それはちょうど紙相撲のお相撲さんのように立つ人形を作るの
です。
「それをお部屋の四隅に置くのですが、四枚が必ず背中合わせ
になるように置くんですよ。四隅それぞれ、外に向かってにらみ
をきかせ、亡者どもにこれより入るなと告げるためです。内向き
に置くと逆に亡者を招いてしまう」
それがちょっと問題でした。1LDKの一部屋はつまり寝室。
それはちょっとね、狭いしキッチンにも立てなくなる。
で、LDKなのですが、バルコニーに面した南側とキッチンの
隅はいいのです。でも最後のお人形がバストイレに遮られて置け
ません。できるだけ四角の空間になるようにと言われています。
そうなるとキッチンに置けなくなって、結局お部屋の四隅に
なるでしょう。人形同士の間に遮るものがあってはならないと
言うのです。
結界が乱れ亡者どもにつけいるスキを与えてしまうということ
ですから、どうしようもありません。
でもそうなると三日三晩トイレにも行けなくなる・・そこまで
考えていなかった私には、バケツでも用意しておくほかなかった
のです。
お掃除用の小さなバケツをお部屋の中に置いてみて、冷静に
見下ろして、そんな姿までを見られてしまうと思っただけで体が
熱くなってくる。
四体の紙人形をお部屋の角々に背中合わせになるよう置いて、
それから私は、床に置いたお札の前の座布団に正座をしました。
正座まですることはないのでしょうが素っ裸の女なんです、
だらしなく座ったりはできません。
そしていよいよ・・震える手をお札に伸ばし、何度もやめようか
と迷いながら、伏せたお札を表に返してそっと置いた。
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