第8話

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「まあまだ返事が来ないだけで、断られたわけじゃないんだけどさ。気長に待ってみるよ~。」 「気長にって、大丈夫なの?」 「まあいざとなったら僕が歌えばいいし。ほんとは映画サイドからは僕に来てた依頼で、海君に歌ってほしいって言ったのは僕なんだ。」 「そっか。まあ私はまさにいが歌うのも嬉しいけど。」 「あはは、ありがと。でもまだ曲もできてない段階だしね。出来て聞いてもらってから判断するってのもありかなって。」 どこまでも希望を持ってポジティブに笑うまさにいの笑顔が、それでも少しさびしそうで。 なんでなの、染井海。 まさにいがこんなに歩み寄ってるのに。 私のまさにいにこんな顔させるなんて、 この私が、許さない。
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