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~Runa side~
「ねぇね、昨日の月9、見たぁ?」
「見た見た~!海君、やばくない?」
「やばいよね!やばいよね!超格好よかったぁ~!!」
放課後の教室。
私の席を取り囲むようにして集まる女子3人組、真鈴(まりん)、涼美(すずみ)、佐保(さほ)は、昨晩のドラマの話題で盛り上がっている。
「えぇ~、俺は断然ひとみちゃん派だけどな。」
そこへまた、当たり前のように口を挟み、私の隣の席へ腰を下ろす男子、大輔(だいすけ)。
「あんたは男でしょっ!勝手に女子トークに参加してこないっ!」
「ちぇ~、ケチ。」
それをバッサリと真鈴に切り捨てられ、シュンとする大輔。
「で、流那は?どうだった?」
佐保の言葉に、その場4人全員の視線が私に注がれる。
「どうって、何が?」
その日出たばかりの宿題をせっせと片付けながら、久々に口を開く。
「どうって、だから、昨日の月9!見た?」
もどかしそうにする佐保。ふと顔をあげると、全員前のめりになって私の答えを待っている。
「見たに決まってんじゃん。まさにいが出てんだから。」
「そっかー。」
「そだったー。」
「そういえば主役だったね、板東雅貴…。海君に目がくらんでうっかり忘れてた…。」
私の一言に、三人三様で体を後ろに倒す女子三人。
「別にいいんですよ、まさにいの良さは、私だけが分かってれば。」
ようやく解き終わった計算問題集をパタンと閉じる。
「にしても、ほんと流那は年上好きだよね~」
しみじみと言う涼美に視線を送り、淡々と口を開く。
「涼美たちが好きな染井海だって、年上でしょ?」
先ほど盛り上がっていた「海君」もとい‘イケメン若手俳優’染井海(そめい かい)の年齢を思い浮かべる。確か現役大学生だったような。
「それはそうだけどっ!レベルが違うよ、海君と板東さんじゃ!板東さんって30位でしょ?」
「29です。」
すかさず訂正する。
「まーまー、人それぞれでいいじゃねえか。」
「あんたは黙ってて。」
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