1章 善と悪の差 2節 意志の神

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 僕は組合の仕事場に帰ってきた。 しかし、ブラックソードはいなかった。 代わりにスケジュール表が置いてあった。 現在の時刻は十時半。 やるべきことは、ビッグバードの狩猟だった。 ヌアートラントという村で被害が起こっていると書いてある。 ここから徒歩で五分ほどの近い村だ。 しかし、スケジュールの問題で車を使うことにした。 村では木の実などが売られていた。 ただ、その量はとても少なかった。 これが被害なのだろうか?ならばこの仕事は簡単なのだが。 ビッグバードは主に肉食であるが、体調が悪いと木の実などを大量に食べるという生態がある。 僕はしばらく、村の様子を観察した。 聞き込みもして、蔵泥棒の類では無いだろうとも思った。 しかし、結論から言えば予想通りとは言えなかった。 別の理由を発見してしまったからだ。 この村に住んでいる男の子、名前は確か・・・レイだ。 その子がビッグバードのヒナを飼っていた。 もちろん村の人は知らないふりをしているのだが、 村長はこの事を嫌っていたのだ。
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