1章 善と悪の差 2節 意志の神

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~クラウス視点~  携帯の着信音が、寝室に鳴り響いた。 俺はソファーから身を起こす。 「誰だ!こんな朝早くから電話をかけてくるのは!」 俺は電話口に大声で怒鳴った。 「もう十一時十分だが?」 怒鳴られたことを意に介さずに電話の相手が言い返す。 こんな対応ができる奴は、俺の知り合いには一人しかいない。 「・・・何の用だ、ブラックソード。」 「少し力を借りたい。今から言う場所に来・・・」 俺は電話を切った。 また、着信音が鳴る。さっきのナンバーとは違った。 「誰だ?用件を簡潔に言え。」 「フェアベルグに来い。ちなみに俺はブラ・・・」 「二度とかけてくるな!」 俺は自分の携帯を壁に投げつけた。液晶が割れる。 俺はまたソファーに横になる。 するとドアチャイムが鳴った。 「宅急便でーす。」という声がする。 俺がドアを開けると、腕を掴まれて家から引っ張り出された。 そこにいたのは黒いロングコートの悪魔だった。
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