1章 善と悪の差 1節 警察長官の娘

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   仕事のための身支度を二十分くらいで終わらせると、ちょうど玄関に誰かが入ってきた。素晴らしいタイミングだ。 「ブラックソード、一体どこに行って・・・・・」 僕はドアを開けて、玄関に向かいながら言ったのだが、 驚いて固まってしまった。 そこには僕の上司がいたのだが、何故か女の子をおぶっていたのだ。 僕にとってはありえない事だ。 仕事のことしか考えていない人だと思っていたのだから。 「森の中だ。」 上司は、僕の感情など汲み取らずに質問に答えた。 「で、その後ろの子は?」 「この子はメイと言うらしい。」 「おかしいよね?その応答。」 名前だけ言われても困る。 ズレ過ぎている上司にイライラした僕は能力を使って、何があったかを見た。 ・・・早とちりをした自分が恥ずかしい。 「・・・ああ、森でロックシェルに襲われていたんだ。足をくじいてるからここで手当しようと思って、おぶってきた。」 もちろん相手はそのことがわからないので、会話が面倒になるのだが。 「とりあえず医療室に連れて行ったほうがいいね。」 僕はメイという子を心配して、言った。 しかし、ブラックソードは言われるまでもないというように、既にメイを医療室まで運んでいた。
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