続・ジュリエットの憂鬱

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男性の姿が少ないせいか、店の中は柔らかくて優しくていい感じ。みんな本当に楽しそう。 片岡さんの会社の女性陣も来ているけれど、何故か斉藤さんは参加している。 さすがに若い男性は少なくて、彼は大人気。ワインをたくさん飲まされているみたいだ。 昨日から片岡さんはローマに出張している。帰りは遅くなるから寄れるかどうかわからない、と言われていた。 外は雨が降ってきたらしい。こちらの人はあまり傘をささないから、入ってくる人の髪やコートが少し濡れていた。 彼女たちが持っているミモザの花もしっとりと濡れて、雨の優しい香りがした。 ふと気づくと、私の立つ奥のカウンターの前に斉藤さんが立っていた。やっぱり少し顔が赤い。 「凪ちゃん。今日、片岡さん帰ってくるって?」 「はい・・・たぶんユーロスターだから、遅くなると思います」 「ふーん、・・・凪ちゃんさあ・・・片岡さんから、何か聞いてる?」 「え・・・・何をですか?」 彼は目を細めて私を見た。 「いや・・・なら、いいんだ。忘れて」 斉藤さんは軽く手を上げて、ちょっとふらふらしながら席に帰っていく。 え?なに?すごく気になるんだけど。何か私、聞くべきことが・・・あるの?それは、片岡さんのこと・・・だよね?
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