1677人が本棚に入れています
本棚に追加
「かわいい。 奥さん似ですね」
「新谷、校庭20周」
「げっ」
「外回りとどっちがいい?」
「どちらも遠慮します…」
この時、
あたしには、二人のおちゃらけた会話は耳に届いていなくて。
今までと少し違った目で、常務をじっと見つめていた。
15歳の常務は、そんなことを考えていたんだ。
この人は、本当にあたしのことが好きで、
しかも、あたしを思いやる気持ちを持っていて。
あたしの事を…、真剣に好いていてくれてたんだ。
そして、今も―――…
そんなこんなで思わぬ形で過去の秘めた想いを知り、
感動に似た、ポワーとした気持ちが胸にこみ上げてきた。
最初のコメントを投稿しよう!